お土産にするならこのお酒蔵元&日本酒のソムリエがおすすめする
丹後天酒 8本

蔵元と日本酒のソムリエが、天酒まつり当日におすすめできるお酒を厳選。そして日本酒のソムリエである古田豊弘が1本1本をテイスティングし、味わいのポイントと料理との相性を追求しました。お買い求めの目安になる日本酒の4タイプ分類も明記。お土産にする楽しさと、お料理と合わせる楽しさ、2つを掛け合わせてお楽しみください。

古田豊弘プロフィール

酒匠、日本酒学講師、SSI(日本酒サービス研究会)認定の資格を多数保有し、日本酒研究、テイスティング能力の研鑽に努める日本酒のソムリエ。天橋立 酒鮮の宿まるやすのオーナー。全国から集めた日本酒と、地元の新鮮な魚介、肉などを合わせて楽しめる「酒鮮の宿まるやす」を経営。各地で日本酒のスクール講師、ラジオパーソナリティ等も努める。

日本酒の4タイプ分類日本酒は味の濃淡と香りの高低で分類できます。

日本酒の4タイプ 薫酒 フルーティーで華やか 醇酒 コクのある王道タイプ 爽酒 シンプル軽快でなめらか 熟酒 複雑性の多い熟成香 日本酒の4タイプ 薫酒 フルーティーで華やか 醇酒 コクのある王道タイプ 爽酒 シンプル軽快でなめらか 熟酒 複雑性の多い熟成香
薫酒 くんしゅ フルーティーで華やか
物語のような喉落ち。香りと余韻を楽しみたい。

竹野酒造 天酒大明神アマサカダイミョウジン 純米吟醸酒

蔵元のおすすめポイント

このお酒の特徴はなんといっても香りの広がり方です。ライチのような香りと程よい泡と、ビターな味わいをお楽しみください。

ソムリエ目線 このお酒の味わい方

開栓と同時に口中に優しく広がる少し控えめなフルーティーさと、次に鼻から戻る含み香は元気よく、存在感のある炭酸をまとっており、さらに、ほのかな甘みとの融合がアクセントとなり上品なビターさが表に出てくる。そこまでが連続した物語のように喉落ちを力強く演出する。じっくりと香りとその余韻を楽しみたいお酒。

バランス 相乗効果
食との相性 「相乗効果」

丹後魚のすり身の天ぷらや、木の芽の天ぷらなど繊細な味わいを油でまとめたものが素材の甘みをよく引き立ててくれます。

名称天酒大明神 純米大吟醸
使用米
精米歩合60%
使用酵母非公表
火入れ
アルコール度数14度
日本酒度-3
熟酒 じゅくしゅ 複雑性の多い熟成香
月日の流れを「楽しい」と感じさせる

木下酒造 玉川 自然仕込
純米酒(山廃)VINTAGE

蔵元のおすすめポイント

山廃造りの純米酒の原酒を常温で3年以上寝かせ、色、味ともにました深みが特徴長期熟成酒です。カラメルやナッツを思わせる香ばしさは、自然についた淡い琥珀色と相まって深まりゆく秋の風景を連想させます。おすすめの温度は冷酒はもちろん、思いきり熱い燗にすると長い年月をかけて醸し出された旨みに透明感と優しさが生まれます。

ソムリエ目線 このお酒の味わい方

古酒というジャンルの中においてもその見た目の色と凝縮された香りは頭ひとつ抜けており、口中で独特の広がり方を感じる味わいは、喉に落とす前にゆっくりと楽しんでほしい。 合わせる食事は、同傾向の味の濃いものや、意外にも淡い味わいのものもよく引き立ててくれる。冬場の丹後松葉がにのゆでがにに合わせてほしい。

バランス 相乗効果
食との相性 「相乗効果」

本文に書いたかにとの組み合わせは相対効果、ここではウナギの蒲焼きやビープシチュー豚の角煮などの和洋中問わず味香りの濃いものとの相性を勧めたい。

名称玉川 自然仕込 純米酒(山廃)VINTAGE
使用米北錦
精米歩合66%
使用酵母非公表
火入れ
アルコール度数15度
日本酒度非公表
»木下酒造について詳しく
醇酒 じゅんしゅ コクのある王道タイプ
独特の酸がコクを際立たせ、芳醇さを演出

与謝娘酒造 ルネッサンス 特別純米酒

蔵元のおすすめポイント

ワイン酵母仕込みの芳醇でコクのある一本です。地産のコシヒカリとワイン酵母が織りなす「酸」をお楽しみください。

ソムリエ目線 このお酒の味わい方

若手醸造家が地元の米の可能性を最大に生かす上でたどり着いたのが「ワイン酵母」で醸す手法。結果独特の酸が、コクを際立たせ深く芳醇さを演出している。味わい深い料理や、味が濃いめのチーズによく合う。少し意外なことに醤油類との相性がよく、煮込み系の料理の輪郭を際立たせてくれる。また食材そのものに旨味を含んだトマトなどを使った料理との相性も非常に良い。

バランス 相乗効果
食との相性 「相乗効果」

ワイン酵母特有の複雑な旨味を併せ持つこのお酒は出汁のきいた食材との相性がいい。だし巻きや濃厚なチーズにも。

名称ルネッサンス 特別純米酒
使用米コシヒカリ
精米歩合60%
使用酵母ワイン酵母
火入れ
アルコール度数14度
日本酒度-8
»与謝娘酒造について詳しく
醇酒 じゅんしゅ コクのある王道タイプ
「生酛造り&原酒」の酸と程よい吟醸香

ハクレイ酒造 酒呑童子 生酛原酒

蔵元のおすすめポイント

自然の力を活用した、昔ながらの製法である「生酛造り」(きもとづくり)の純米原酒です。吟醸香もあり、辛口ですっきりと仕上げました。口に含んだ時に広がる甘さと酸味のバランスが生酛らしい昔ながらの日本酒です。

ソムリエ目線 このお酒の味わい方

この蔵はここ近年吟醸系のジャンルにおいてその種類の多さには定評があり「香り高いお酒」というジャンルの中でも選ぶ楽しみを経験できる。その中でも異色の存在がこのお酒。生酛造りで原酒という主張のある酸を前面に出してくる。合わせて程よい麴由来の吟醸香も楽しめる。少し意外だが食材の繊細な味を引き立てる効果も強く、幅広く料理に合わせられる。

バランス 相乗効果
食との相性 「相乗効果」

出汁のきいた煮魚はもちろん、繊細系の洋食や煮込みハンバーグなどのガッツリ系にも合わせられる懐の深さを併せ持ちます。

名称酒呑童子 生酛原酒
使用米五百万石
精米歩合65%
使用酵母901
火入れ
アルコール度数17.5度
日本酒度+9
»ハクレイ酒造について詳しく
薫酒 くんしゅ フルーティーで華やか
口中で広がる華やかな吟醸香は余韻まで素晴らしい

谷口酒造 若冲 純米大吟醸

蔵元のおすすめポイント

地元の酒造好適米である祝を9号系の酵母で仕込みました。チーズとの良さを楽しんでいただきたいです。

ソムリエ目線 このお酒の味わい方

さまざまな酒質が楽しめる蔵にしてここ5年のほどの間にさらに新しい味わいを創造したのが「若冲」のシリーズ。9号系の酵母の特徴である華やかさが前面に出ており、口中で広がる華やかな吟醸香は余韻まで素晴らしい。香りの高いお酒に懸念される料理との相性の幅だが、この大吟醸酒は相手を選ばない傾向があり、特にチーズにおいてはシェーブルチーズとの相性が非常に良い。

バランス 相乗効果
食との相性 「相乗効果」

チーズはもちろん繊細な味わいのお刺身、塩焼きのお魚等、素材の甘さや味わいを楽しめるお酒です。

名称若冲 純米大吟醸
使用米
精米歩合35%
使用酵母901
火入れ
アルコール度数15度
日本酒度+1〜+2
»谷口酒造について詳しく
醇酒 じゅんしゅ コクのある王道タイプ
相反するコクとフレッシュ感が同時に楽しめる

池田酒造 純米生原酒 加佐一陽 Hi Summer

蔵元のおすすめポイント

搾り機から出てきたお酒をそのまま瓶詰めしてフレッシュ感を閉じ込めました。クリアでスッキリとしていながら米の旨味もある爽快な夏の限定酒です。

ソムリエ目線 このお酒の味わい方

グラスに注ぐ時にフレッシュな香りが微発泡という夏の微風を纏っており、その爽やかさのまま口中に広がる。酒質的にはベースはもちろん純米酒であるからコクという下敷きの上にフレッシュ感がのっており、その相反するコクとフレッシュ感が同時に楽しめる。合わせる料理としては少し濃いめの味付けの料理や揚げたようなもの、特に深く煮込んだ料理との相性は抜群!

バランス 相乗効果
食との相性 「相乗効果」

ほのかな香りや旨味のあるもの、鮎等の塩焼き、山菜の天ぷらなど、の和食系や、イタリアンのフリットのカリット&フワットとも好相性。

名称加佐一陽 Hi Summer 純米生原酒
使用米山田錦/あけぼの
精米歩合60%
使用酵母非公表
火入れ
アルコール度数15度
日本酒度非公表
»池田酒造について詳しく
醇酒 じゅんしゅ コクのある王道タイプ
やわらかな甘味と柑橘系のフレッシュな酸味

白杉酒造 URANISHIスパークリング 純米

蔵元のおすすめポイント

白麹を使用した甘酸っぱい日本酒です。シャンパンと同じように瓶内二次発酵を行い、程よい発泡感と爽やかな甘酸っぱさが特徴です。

ソムリエ目線 このお酒の味わい方

酸を探求する杜氏か今回選んだその技法は「白麹」。より甘酸っぱさを前面に出しさらにシュワシュワ感を加えた逸品。URANISHIとは丹後の冬の雨の多く変わりやすい気象条件のこと。薄濁りのお酒を冬の曇天をイメージさせるものとして命名されました。やわらかな甘味と柑橘系のフレッシュな酸味!が口中に広がります。イタリアンの前菜に合わせてみたい。

ハーモニー 相対効果
食との相性 「相対効果」

繊細な味を引き立てるお酒であるから、和食料理で先付をいただき、次に提供される椀物に合わせてみたい。

名称URANISHIスパークリング 純米
使用米ミルキークイーン
精米歩合60%
使用酵母非公開
火入れ生(瓶内二次発酵)
アルコール度数15.2%
日本酒度−15
»白杉酒造について詳しく
薫酒 くんしゅ フルーティーで華やか
香りよりもいわゆる味吟醸タイプ

熊野酒造 純米吟醸 杜氏の独り言

蔵元のおすすめポイント

コシヒカリで造った淡麗辛口ですっきり楽しめる酒。

ソムリエ目線 このお酒の味わい方

京丹後産の食べて美味いコシヒカリにこだわり飲んで美味いお酒を目指したお酒。冷酒の温度帯からぬる燗までやや帯域の広い温度の幅で楽しめる仕上がり。すっきりとしたキレの良さが、温度を上げることで旨さが前面に出てきます。香りよりもいわゆる味吟醸タイプ。塩だけでいただく白身魚の天ぷらや、なめろうに合わしてみたい。

ハーモニー 相対効果
食との相性 「相対効果」

塩味を生かす食材として、地元丹後産のへしこ料理、中でもへしこのお茶漬けには是非合わせてほしい。

名称純米吟醸 杜氏の独り言
使用米五百万石・コシヒカリ
精米歩合60%
使用酵母きょうかい1401
火入れ
アルコール度数15度
日本酒度+4
»熊野酒造について詳しく