蔵元と日本酒のソムリエが、天酒まつり当日におすすめできるお酒を厳選。そして日本酒のソムリエである古田豊弘が1本1本をテイスティングし、味わいのポイントと料理との相性を追求しました。お買い求めの目安になる日本酒の4タイプ分類も明記。お土産にする楽しさと、お料理と合わせる楽しさ、2つを掛け合わせてお楽しみください。
酒匠、日本酒学講師、SSI(日本酒サービス研究会)認定の資格を多数保有し、日本酒研究、テイスティング能力の研鑽に努める日本酒のソムリエ。天橋立 酒鮮の宿まるやすのオーナー。全国から集めた日本酒と、地元の新鮮な魚介、肉などを合わせて楽しめる「酒鮮の宿まるやす」を経営。各地で日本酒のスクール講師、ラジオパーソナリティ等も努める。
このお酒の特徴はなんといっても香りの広がり方です。ライチのような香りと程よい泡と、ビターな味わいをお楽しみください。
開栓と同時に口中に優しく広がる少し控えめなフルーティーさと、次に鼻から戻る含み香は元気よく、存在感のある炭酸をまとっており、さらに、ほのかな甘みとの融合がアクセントとなり上品なビターさが表に出てくる。そこまでが連続した物語のように喉落ちを力強く演出する。じっくりと香りとその余韻を楽しみたいお酒。
丹後魚のすり身の天ぷらや、木の芽の天ぷらなど繊細な味わいを油でまとめたものが素材の甘みをよく引き立ててくれます。
名称 | 天酒大明神 純米大吟醸 |
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使用米 | 祝 |
精米歩合 | 60% |
使用酵母 | 非公表 |
火入れ | 生 |
アルコール度数 | 14度 |
日本酒度 | -3 |
山廃造りの純米酒の原酒を常温で3年以上寝かせ、色、味ともにました深みが特徴長期熟成酒です。カラメルやナッツを思わせる香ばしさは、自然についた淡い琥珀色と相まって深まりゆく秋の風景を連想させます。おすすめの温度は冷酒はもちろん、思いきり熱い燗にすると長い年月をかけて醸し出された旨みに透明感と優しさが生まれます。
古酒というジャンルの中においてもその見た目の色と凝縮された香りは頭ひとつ抜けており、口中で独特の広がり方を感じる味わいは、喉に落とす前にゆっくりと楽しんでほしい。 合わせる食事は、同傾向の味の濃いものや、意外にも淡い味わいのものもよく引き立ててくれる。冬場の丹後松葉がにのゆでがにに合わせてほしい。
本文に書いたかにとの組み合わせは相対効果、ここではウナギの蒲焼きやビープシチュー豚の角煮などの和洋中問わず味香りの濃いものとの相性を勧めたい。
名称 | 玉川 自然仕込 純米酒(山廃)VINTAGE |
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使用米 | 北錦 |
精米歩合 | 66% |
使用酵母 | 非公表 |
火入れ | ◯ |
アルコール度数 | 15度 |
日本酒度 | 非公表 |
ワイン酵母仕込みの芳醇でコクのある一本です。地産のコシヒカリとワイン酵母が織りなす「酸」をお楽しみください。
若手醸造家が地元の米の可能性を最大に生かす上でたどり着いたのが「ワイン酵母」で醸す手法。結果独特の酸が、コクを際立たせ深く芳醇さを演出している。味わい深い料理や、味が濃いめのチーズによく合う。少し意外なことに醤油類との相性がよく、煮込み系の料理の輪郭を際立たせてくれる。また食材そのものに旨味を含んだトマトなどを使った料理との相性も非常に良い。
ワイン酵母特有の複雑な旨味を併せ持つこのお酒は出汁のきいた食材との相性がいい。だし巻きや濃厚なチーズにも。
名称 | ルネッサンス 特別純米酒 |
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使用米 | コシヒカリ |
精米歩合 | 60% |
使用酵母 | ワイン酵母 |
火入れ | ◯ |
アルコール度数 | 14度 |
日本酒度 | -8 |
自然の力を活用した、昔ながらの製法である「生酛造り」(きもとづくり)の純米原酒です。吟醸香もあり、辛口ですっきりと仕上げました。口に含んだ時に広がる甘さと酸味のバランスが生酛らしい昔ながらの日本酒です。
この蔵はここ近年吟醸系のジャンルにおいてその種類の多さには定評があり「香り高いお酒」というジャンルの中でも選ぶ楽しみを経験できる。その中でも異色の存在がこのお酒。生酛造りで原酒という主張のある酸を前面に出してくる。合わせて程よい麴由来の吟醸香も楽しめる。少し意外だが食材の繊細な味を引き立てる効果も強く、幅広く料理に合わせられる。
出汁のきいた煮魚はもちろん、繊細系の洋食や煮込みハンバーグなどのガッツリ系にも合わせられる懐の深さを併せ持ちます。
名称 | 酒呑童子 生酛原酒 |
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使用米 | 五百万石 |
精米歩合 | 65% |
使用酵母 | 901 |
火入れ | ◯ |
アルコール度数 | 17.5度 |
日本酒度 | +9 |
地元の酒造好適米である祝を9号系の酵母で仕込みました。チーズとの良さを楽しんでいただきたいです。
さまざまな酒質が楽しめる蔵にしてここ5年のほどの間にさらに新しい味わいを創造したのが「若冲」のシリーズ。9号系の酵母の特徴である華やかさが前面に出ており、口中で広がる華やかな吟醸香は余韻まで素晴らしい。香りの高いお酒に懸念される料理との相性の幅だが、この大吟醸酒は相手を選ばない傾向があり、特にチーズにおいてはシェーブルチーズとの相性が非常に良い。
チーズはもちろん繊細な味わいのお刺身、塩焼きのお魚等、素材の甘さや味わいを楽しめるお酒です。
名称 | 若冲 純米大吟醸 |
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使用米 | 祝 |
精米歩合 | 35% |
使用酵母 | 901 |
火入れ | ◯ |
アルコール度数 | 15度 |
日本酒度 | +1〜+2 |
搾り機から出てきたお酒をそのまま瓶詰めしてフレッシュ感を閉じ込めました。クリアでスッキリとしていながら米の旨味もある爽快な夏の限定酒です。
グラスに注ぐ時にフレッシュな香りが微発泡という夏の微風を纏っており、その爽やかさのまま口中に広がる。酒質的にはベースはもちろん純米酒であるからコクという下敷きの上にフレッシュ感がのっており、その相反するコクとフレッシュ感が同時に楽しめる。合わせる料理としては少し濃いめの味付けの料理や揚げたようなもの、特に深く煮込んだ料理との相性は抜群!
ほのかな香りや旨味のあるもの、鮎等の塩焼き、山菜の天ぷらなど、の和食系や、イタリアンのフリットのカリット&フワットとも好相性。
名称 | 加佐一陽 Hi Summer 純米生原酒 |
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使用米 | 山田錦/あけぼの |
精米歩合 | 60% |
使用酵母 | 非公表 |
火入れ | 生 |
アルコール度数 | 15度 |
日本酒度 | 非公表 |
白麹を使用した甘酸っぱい日本酒です。シャンパンと同じように瓶内二次発酵を行い、程よい発泡感と爽やかな甘酸っぱさが特徴です。
酸を探求する杜氏か今回選んだその技法は「白麹」。より甘酸っぱさを前面に出しさらにシュワシュワ感を加えた逸品。URANISHIとは丹後の冬の雨の多く変わりやすい気象条件のこと。薄濁りのお酒を冬の曇天をイメージさせるものとして命名されました。やわらかな甘味と柑橘系のフレッシュな酸味!が口中に広がります。イタリアンの前菜に合わせてみたい。
繊細な味を引き立てるお酒であるから、和食料理で先付をいただき、次に提供される椀物に合わせてみたい。
名称 | URANISHIスパークリング 純米 |
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使用米 | ミルキークイーン |
精米歩合 | 60% |
使用酵母 | 非公開 |
火入れ | 生(瓶内二次発酵) |
アルコール度数 | 15.2% |
日本酒度 | −15 |
コシヒカリで造った淡麗辛口ですっきり楽しめる酒。
京丹後産の食べて美味いコシヒカリにこだわり飲んで美味いお酒を目指したお酒。冷酒の温度帯からぬる燗までやや帯域の広い温度の幅で楽しめる仕上がり。すっきりとしたキレの良さが、温度を上げることで旨さが前面に出てきます。香りよりもいわゆる味吟醸タイプ。塩だけでいただく白身魚の天ぷらや、なめろうに合わしてみたい。
塩味を生かす食材として、地元丹後産のへしこ料理、中でもへしこのお茶漬けには是非合わせてほしい。
名称 | 純米吟醸 杜氏の独り言 |
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使用米 | 五百万石・コシヒカリ |
精米歩合 | 60% |
使用酵母 | きょうかい1401 |
火入れ | ◯ |
アルコール度数 | 15度 |
日本酒度 | +4 |